カーボンニュートラルとは。脱炭素との違いや取り組み事例をご紹介

2024/12/23

ODM基板開発

地球温暖化や気候変動といった環境問題への関心が高まる中、「カーボンニュートラル」という言葉を耳にする機会が増えています。本記事では、カーボンニュートラルの意味や脱炭素との違い、現状の課題、具体的な取り組み事例についてわかりやすく解説します。

カーボンニュートラルとは?脱炭素との違いと現状の課題


カーボンニュートラルとは、温室効果ガス(特に二酸化炭素)の排出量を削減し、削減しきれない量を森林吸収や炭素回収技術で相殺することで、実質ゼロにすることを指します。地球温暖化の進行によって異常気象や生態系の変化が顕著になったことから、カーボンニュートラルが国際的な目標として設定されるようになりました。
特に、日本やヨーロッパを中心に「2050年カーボンニュートラル」を掲げる動きが広がり、またカーボンニュートラルはSDGS(持続可能な開発目標)の達成に向けた重要な取り組みとして位置づけられています。

その中で日本では、再生可能エネルギーの拡大や省エネ技術の導入が進められていますが、エネルギー自給率が低いことや化石燃料への依存が課題となっています。一方世界では、EUをはじめ各国が積極的なロードマップを発表し、再生可能エネルギーや電気自動車(EV)の普及を進めているのが現状です。さらに、バイオマス燃料の活用や低炭素化された配送システムの構築が注目されており、日本でもこれらを参考にした取り組みが始まっています。

また、「カーボンニュートラル」と似た概念で「脱炭素」という言葉がありますが、これらは範囲や目標に違いがあります。脱炭素は二酸化炭素の排出削減に重点を置いており、化石燃料の使用削減が主な取り組み内容です。一方カーボンニュートラルは、排出削減に加えて炭素の吸収や回収を通じて「温室効果ガスの排出実質ゼロ」を目指す包括的なアプローチを指します。

カーボンニュートラルの課題と背景にある要因


カーボンニュートラルの実現を妨げる主な要因には、経済的な負担や技術的な制約が挙げられます。再生可能エネルギーの導入コストや設備投資の負担は、特に中小企業にとって大きな課題です。また新しい技術の普及が遅れることで、脱炭素社会への移行が遅滞しています。

燃料や輸送分野では、温室効果ガス排出の一因となっている内燃機関を持つ車両(ガソリン車など)から電気自動車(EV)への切り替えが進められていますが、充電インフラの不足が大きな課題です。また航空業界では、持続可能な航空燃料(SAF)の導入が進行中ですが、コストや供給体制に問題点があります。ほかにも、運送業界ではルート最適化や電動配送車の導入が進められています。

カーボンニュートラルを目指す具体的な取り組みと実践例


カーボンニュートラルを目指す具体的な取り組みとして、企業では再生可能エネルギーを活用した製品の製造や、低炭素燃料を使用した配送システムの構築が進んでいます。例えば、ある物流企業では、配送ルートの最適化によって燃料消費量を削減し、カーボンニュートラルを達成する事例が報告されています。また、自動車メーカーはEVや燃料電池車の開発を加速させ、車両の低炭素化に取り組んでいます。
日常生活の中でできる小さな工夫の積み重ねで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献可能です。

さらに環境省では、再生可能エネルギー設備の導入やエコ住宅の建設を支援する補助金制度を提供しています。また、EV購入時の補助金や税制優遇も拡充されており、これらを活用することで経済的負担を軽減しつつ、カーボンニュートラルに向けた行動を取ることが可能です。


カーボンニュートラルは持続可能な社会を実現するための重要な取り組みです。現状の課題や背景を踏まえたうえで、企業や個人がそれぞれ具体的な行動を起こすことが求められています。補助金や税制優遇を活用しながら、カーボンニュートラル社会の実現に向けて一歩ずつ進んでいきましょう。

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