光センサーの仕組みと動作原理とは。種類や特徴・使用例をご紹介

2024/09/03

ODM基板開発

光センサーとは、光を検知して電気信号に変換するデバイスのことで、産業機械から日常生活まで幅広い用途で利用されています。用途とラインナップの幅広さから、自身のシステムにどの光センサーを選べばよいか、悩まれている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、光センサーの基本的な仕組みや種類について解説し、用途に応じた最適な光センサーを選定するための基礎知識を解説します。実際の使用例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

光センサーの基本的な仕組みと動作原理について

光センサーは、光を感知し、それを電気信号に変換するデバイスです。光センサーの基本的な仕組みとしては、入射した光を検知して、その強さや波長に応じ、受光素子と呼ばれる部分でさまざまな応答を示して電気的な信号に変換することです。さらに発光素子と組み合わせることで光の透過や反射状況によってさまざまな状態を検出するものもあります。
次に光センサーの動作原理は、受光素子に光が入射することで生じる電流の大小でさまざまな情報を検出することです。受光素子に使われているものがフォトダイオードの場合、光が入射すると、半導体内で光子が電子と正孔を生成して分離し、外部回路に電流を生じさせます。光の強度に比例して電流が変化するため、光の強さを電気的に測定可能です。

●フォトトランジスタの場合

フォトダイオードに増幅機能が加わり、生じさせた電流を増幅することで微弱な光信号でも検出可能となります。

●フォトレジスタの場合

光の強さによって抵抗値が変わる特性を持ち、光がフォトレジスタに当たると、抵抗値が低下して回路内の電流が増加するので、光の強弱を検出することができます。

光センサーの主な種類とその特徴


光センサーは主に「透過型」と4種類の「反射型」があります。それぞれについて解説します。

透過型の光センサー

【透過型】
発光素子と受光素子が向かい合って配置され、その間に物体が存在するかどうかを検出するタイプのセンサーです。発光素子から放射された光が物体に遮られると、受光素子への光の到達が阻害され、その変化を検知して物体の存在を検出します。高い検出精度を持ち、小さな物体も検出可能な点が特徴です。

用途:主に、産業用の自動化ラインでの位置検出や、セキュリティシステムでの侵入者検知などに使用されます。

反射型の光センサー

【拡散反射型】
発光素子から放射された光が物体に当たって反射し、その反射光を同じセンサー内の受光素子で検出するタイプのセンサーです。物体がセンサーに近づくと反射光が強くなり、その変化を利用して物体の存在や距離を検出します。物体の材質や表面状態に依存せず、複雑な形状の物体や背景が不均一な環境でも安定した検出可能な点が特徴です。

用途:自動ドアや搬送システム、ロボットの衝突防止など、幅広い用途で使用されています。

【距離設定型】
検出する距離をあらかじめ設定し、設定範囲内にある物体のみを検出するタイプのセンサーです。設定した距離から外れた物体や背景の影響を受けにくく、特定の距離範囲内での検出に優れているのが特徴です。

用途:背景が複雑な環境や、検出対象が多く存在する場合でも、確実に対象物のみを検出できるため、正確な位置決めや選別作業に適しています。

【回帰反射型】
発光素子と受光素子が一体化しており、発光素子から放射された光が反射板で反射され、その反射光を受光素子で検出するタイプのセンサーです。反射板とセンサーの間に物体が入ると光が遮られ、その変化を検出します。長距離の検出が可能で、反射板さえ設置されていれば、透明な物体や鏡面の物体も検出可能な点が特徴です。

用途:主に、搬送ラインや駐車場のゲートシステムなどに使用されます。

【限定反射型】
発光素子から出た光が物体に反射し、その反射光が特定の範囲内でしか検出されないように設計されたセンサーです。背景の影響を極力排除するように構成されており、物体が反射範囲内にあるかどうかを正確に判断します。複雑な背景や隣接する物体の影響を受けにくく、正確な位置決めや選別が可能な点が特徴です。

用途:工業用ロボットの位置検出や自動化設備での精密作業に適しています。

光センサーの具体的な使用例と応用分野


光センサーは、さまざまな分野で幅広く応用されています。以下に具体的な例を紹介します。

●産業分野:製品の品質管理や自動化ラインでの位置検出
●医療分野:血液中の酸素濃度を測定するパルスオキシメーター、光を利用した画像診断機器
●日常生活:自動ドア、スマートフォンの画面の明るさ調整、自動車のヘッドライトの自動点灯など

上記のように多岐にわたって光センサーは使用されています。これらの応用例を通じて、光センサーが現代の技術革新を支える重要なデバイスであることが理解できるでしょう。


光センサーは、光を電気信号に変換する技術で、さまざまな分野で重要な役割を果たしています。この記事では、光センサーの基本的な仕組みや動作原理、そして用途に応じた代表的な種類について解説しました。 また、産業や医療、日常生活といった多様な分野での具体的な使用例についても紹介していますので、ぜひ自身の光センサー選定の参考にしてください。

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