制御盤の基礎知識~設計から組立までわかりやすく解説~
2022/11/30
ODM基板開発
機械や設備を思い通りに制御したい、効率よく電力制御したい、このような課題を解決するのが制御盤です。この記事では制御盤の基礎知識から、どのようにして課題を解決する制御盤を設計して組立てるのか流れをご紹介します。
制御盤の基礎知識
制御盤とは
制御盤とは、工場の機械や建物の設備などを制御するために電気部品や電気機器を配線してボックス内に収納された装置のことです。制御盤は機械を電気で制御するための頭脳であり、重要な装置になります。
制御盤の役割
制御盤の役割は制御する機器をまとめて操作したり機器の状態を表示します。
制御盤が使われる代表的な装置例
制御盤は制御する機器の用途に応じて個別に設計、製作します。
- 建物の空調設備
建物内の温度や湿度を適切に管理するために複数のクーラーを制御するときに制御盤を使います。 - 工場の生産ライン
生産ラインのベルトコンベアーの速度を変えるモーターを制御したり、機械異常時に表示灯で知らせたりする制御盤があります。 - エレベーター
人が乗るエレベーターを上下させるモーターを制御したり、押されたスイッチの読み取りと表示をするのに制御盤が使われます。
制御盤の構成部品
制御盤は金属製のキャビネットという箱に、機能を実現するために必要な電気部品や電気機器が配線され収められています。ここでは主な電気部品、電気機器について紹介します。
- キャビネット
制御盤は工場や屋外など厳しい環境に設置されることが多いため、牽牛な金属製のキャビネットの筐体を使います。キャビネットボックスメーカーから規格品が販売されており、利用することでコストを抑え制御盤を製作することができます。 - スイッチ
電源のON/OFFや機器の信号を切り換える手段としてスイッチを使います。 - 表示灯
機器の状態を表示します。 - 配線
電気部品や電気機器同士をつなぎます。 - クーラー(ファン)
制御盤ボックス内部で発生する熱を排出するために送風します。 - ブレーカー
制御盤内の電源を入れたり切ったりします。 - 電磁リレー
電気信号を受けスイッチを切り換えます。 - インバーター
インバーターは電源の周波数を変えてモーターの回転数を制御します。 - PLC(プログラマブルコントローラー)
シーケンサはソフトウェアを書き込むことで接続した機器を制御します。
制御盤の設計から組立までの流れ
制御盤を開発するにあたり設計から組立までの流れをご紹介します。
①仕様打ち合わせ・調査
お客様のご要望や必要な機能、大きさなどを打ち合わせします。
②設計・図面の作成
打ち合わせに基づいて必要な機能を設計し図面化します。
③構成部品の手配
設計した図面を元に必要な電気部品、電気機器、板金、塗装品などを手配します。
④部品加工・組立
板金加工や電気部品の実装、電気機器の配線を行います。
⑤動作確認・検査
図面通りに機器が動作するか確認、検査します。
⑥出荷・現地据付
製品の出荷を行い必要であれば現地据付まで行います。
⑦試運転・完成
現地にて機器の試運転を行い、完成となります。
⑧アフターフォロー・メンテナンス
機器完成後もアフターフォローを行い、必要に応じてメンテナンスを行います。
以上、制御盤の基礎知識と設計から組立までを解説しました。
弊社では農業用制御盤を開発・製造・販売のノウハウや6100件の基板開発のノウハウを生かし、様々な分野でアプリケーションの開発を承っております。詳しく聞いてみたい方はお気軽にお問い合わせください。