EMC対策・ノイズ対策に必要な部品と基礎知識

2022/07/13

ODM基板開発

近年では電子機器の技術が著しく向上していることもあり、ノイズ対策に悩まされることも多くなったのではないでしょうか。そこで今回は、EMC対策・ノイズ対策に必要な部品と基礎知識について解説していきます。

EMC対策とは電磁環境両立性のこと

EMCとは「Electromagnetic Compatibility」の略であり、「電磁環境両立性」という意味があります。そのため、ノイズ対策と同義として扱われることも珍しくありません。「ノイズ=雑音」という認識の人も多いですが、ノイズには音波のノイズだけでなく「電波のノイズ」も存在します。この電波のノイズを対策することが、EMC対策です。

EMC対策が必要な理由


現代の生活では、スマホやUSBといった通信機器、病院の医療機器、工場の生産設備から自動車や鉄道、飛行機にいたるまで、電気や電子機器の存在が不可欠です。しかし、これらの電子機器は電磁波ノイズによって誤作動や故障を起こすことがあり、命に関わる重大な事故に繋がりかねません。よって、電子機器にとってEMC対策やノイズ対策は不可欠なのです。

EMC対策部品の一例


EMC対策は部品を使って施すこともあり、その部品をEMC対策部品といいます。
以下のようなものがあります。


方法1.シールディング

シールディングとは、回路の一部や機器全体を金属遮蔽物で覆うことです。これによって周囲にノイズを出したり周囲からの影響を受けないようにする効果があります。確実に効果を得るには、電磁波の漏れがないように金属の筐体の開閉部やつなぎ目、開口部の処理といった導通を、確実に処理しなければなりません。
◆部品:導電性のケーブルシールドカバー、導電テープ、金属板、電波吸収シート、EMI対策コネクタ、ガスケットなど



方法2.フィルタリング

フィルタリングは、余計なエネルギーを分離して不要な箇所にエネルギーを伝えないようにしたり、外部からの余計なエネルギーを分離して内部に入れないようにしたりすることです。
◆部品:EMI除去フィルタ、コンデンサ、ダイオード、LCフィルターなど



方法3.グランディング

グランディングは、電子回路の場合は動作電圧の基準を決めて電流の帰路として機能させることです。たとえば、多層プリント基板にグランド層を作り、金属フレームを採用することもあります。
◆部品:クランプ、ストラップなど


今回の記事では、EMC対策・ノイズ対策についてお話しました。EMC対策は企業にとっても大きな課題であり、事故が発生すると企業や企業ブランドに大きなダメージを与えてしまいます。EMC対策を効果的に実践するためにも、対策部品だけでなく設計も含めてさまざまな面からアプローチをすることが大切です。

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