基板実装とは?工程から学ぶ基礎知識
2021/10/28
ODM基板開発
回路設計、基板設計はできるが制御基板の量産(部品調達・基板実装等)は外注という企業も多いのではないでしょうか。この記事では基板実装の工程と、外注メーカーを選ぶ際のポイントをご紹介します。
基板実装とは?
基板実装とは、製作したプリント基板に電子部品をはんだ付けして接続(部品実装)し、電子回路を形成することです。実装方法は電子部品によって異なり、電子部品を穴(スルーホール)に挿入してはんだ付けを行う「リード挿入実装方式」と、部品をプリント基板表面のランドにはんだで接続する「表面実装方式」の2種類があります。部品間の実装距離が狭いほど、制御基板の機能は高まります。
■プリント基板の制作工程
基板システム設計・開発→試作→基板制作(基板実装)→検査→納品
基板実装の工程
ここからは基板実装が行われる工程を「チップ部品」と「リード部品」にわけてご紹介します。
チップ部品の実装
1.クリームはんだを塗布
まっさらな生基板とメタルマスク(ステンシル)を重ね、クリームはんだ(ソルダーペースト)を塗布します。
●使用される機器:クリームはんだ塗布機
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2.チップ部品を実装
プリント基板の表面(A面)または裏面(B面)にチップ部品を実装します。設備によって実装できる部品サイズは異なります。
●使用される機器:チップマウンター
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3.はんだ付け
クリームはんだを溶かし、基板とチップ部品のはんだ付けを行います。
●使用される機器:リフロー炉
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4.検査
不良個所がないかチェックします。画像解析を使った検査装置は小さな不良も自動で検出することができます。
●使用される機器:画像検査装置
リード部品の実装
1.リード部品を実装(機械実装)
プリント基板の表面(A面)にラジアル・アキシャル部品(リードのついた部品)を実装します。自動挿入機を使うことで、テーピングされた部品を指定した位置へ実装することができます。
●使用される機器:自動挿入機
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2.リード部品を実装(手挿入)
自動挿入機で挿入できない部品は人の手によって実装します。手挿入ともいいます。リレーなど重たい部品は機械での実装ができません。機械化が進んでいますが、手挿入による部品実装もまだ多くあります。手作業となるため、品質維持には熟練作業者の技術が必要になります。
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3.はんだ付け
プリント基板のはんだ付け前処理にフラックスを塗布します。プリント基板の裏面へ塗布することではんだの付きがよくなります。
●使用される機器:フラクサー
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フラックスを塗布したら、基板とリード部品のはんだ付けを行います。
●使用される機器:フロー半田槽
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4.検査
不良個所がないか検査します。
●使用される機器:画像検査装置
※裏付け部品がある場合は、手挿入ではんだ付けしてきます。
外注メーカーを選ぶポイント
電子部品の小型化・高密度化が進む中、製造設備が整っていることが重要です。
多くの設備を導入しているメーカーも魅力的ですが、実装方法に応じてコストも異なるため、実現したい性能や使いたい部品などをしっかりとヒアリングし、最適な提案してくれるメーカーを選ぶことがおすすめです。また、メーカーによって得意分野が異なり、大量生産、少量多品種生産が得意なメーカーもあるため、目的に合ったメーカーを選ぶことで理想通りの基板が制作できます。
担当者の方は、工場見学や現場視察をすることをおすすめします。導入されている機械を知ることはもちろん、現場の雰囲気がわかります。チームワークの良いところは、品質が高く、スムーズな生産が期待できます。