制御基板を国内メーカーで製造するメリットとデメリット
2021/09/24
ODM基板開発
電子機器や装置を開発する時、必ずと言っていい程必要になる制御基板。自社にノウハウを持つ開発部門が無い場合、制御基板の製造を行っているメーカーへ製造委託する方法がとられます。
最近では制御基板の受託製造をする海外メーカーも増え、購買や調達担当者は様々な選択肢があって迷ってしまう事もあるのでは。そこで今回は、国内の制御基板メーカーで製造するメリットとデメリットをご紹介します。
海外メーカー委託でよくある問題点
海外の基板メーカーは国内のメーカーと比較するとコストメリットが大きいため、上司や設計担当者などから「少しでも安い海外メーカーへ切替えて欲しい」と言われることも多いのではないでしょうか。
しかし、ようやく見つけた海外メーカーへ発注してみると、部品選定や、仕様の検討といった詳細設計費用が見積もりに含まれていなかったり、製造委託のみで、回路設計の検討や組み合わせの試験費用は範囲外だったり、基板単価は安くても開発費は高くなるということがあります。
制御基板が完成し、モーターなどの負荷や、モニターと接続し評価をした結果、試作基板に修正が必要であってもやりとりに時間がかかったり、取り合ってくれないケースもあります。また、動作させるソフト開発は別会社へ委託するケースもあり、「安価だと思って発注したのに、結果的に国内メーカーへ委託するより高くなってしまった…」という事も。
国内メーカーのメリットとデメリット
メリット
多くのメーカーは、仕様の打合せから試作、評価、納品、アフターフォローまでしっかりサポートしてくれるため、安心して開発を進めることが出来ます。これにより期待する品質の製品を製造することができます。
デメリット
比較的高コスト。海外メーカーの中には、国内メーカーの1/10の価格で製造できるメーカーもあるため、1度開発した基板を安価で大量に製造する場合、海外メーカーの方がコストメリットはあります。
基板設計からソフト開発までまとめて委託
国内メーカーの中には制御基板の回路設計から組込みソフトの開発、基板周辺のメカ部品までの開発、製造を一貫し受託しているメーカーがあります。一貫委託できるメーカーであれば、制御基板を組み込むケースや周辺の電気配線までまとめて任せられるため、工数を削減することもできます。
制御基板の製造、開発はメーカーによって保有しているノウハウや、得意とする分野、ロットなども異なります。開発する商品に合せ、メリットが大きいメーカーを検討してはいかがでしょうか。