プリント基板の製造・実装メーカーの選び方!EMS、OEM、ODMの違いとは。
2021/07/02
ODM基板開発
新型コロナウィルスの影響拡大により、電子部品や半導体の不足が深刻です。車載用プリント配線板、パソコン向けパッケージ基板、スマホ用フレキシブル基板などの供給が滞り、関係する業界は苦境に立たされています。
そんな状況下で制御基板の開発先を探すために、今回はプリント基板の製造・実装メーカーの選び方などをご紹介します。
EMS、OEM、ODMの違いと製造メーカーの課題
基板開発の生産形態であるEMS、OEM、ODMの違いは以下の通りです。
◆EMS
受託企業が委託企業に代わって設計から物流まで全てを行う
◆OEM
委託側企業が製品設計を行い、受託側は製造のみを行う
◆ODM
受託側が製品設計・製造を行う
特徴が似ているEMSとODMの違いを、一覧表にまとめました。
EMS | ODM | |
マーケティング | × | × |
商品企画 | × | × |
概念設計・商品設計 | × | △ |
システム設計・実装設計 | × | × |
パターン設計(回路設計) | × | ○ |
物理設計・機械設計 | △ | ○ |
試作評価 | ○ | ○ |
量産設計 | ○ | ○ |
量産試作 | ○ | ○ |
量産 | ○ | ○ |
EMSは設計から生産までを委託するのに対して、ODMは委託業者と相談しながら行う点が異なります。近年の電気業界では、「高品質・高機能・短納期」という過酷な条件が市場から求められていることから、自社に合った製造・実装メーカーを選ぶ必要があります。
市場での要求が増えた背景や懸念
経済のグローバル化や技術革新によって、市場からの要求は増加の一方です。また、直近ではテレワークや5Gの普及によりデバイス需要が拡大しています。
もともと日本製品といえば、高品質かつ高機能なことで世界的にも有名です。しかし、移り変わりの早い現在の市場において、短いサイクルでニーズに対応した商品を製造できなければ、「機会損失」や「滞留在庫の増加」といった問題が発生してしまいます。
具体的な解決策
「高品質・高機能・短納期」の条件を満たす製造・実装メーカーをみつけることです。すでに電子材料であるプリント基板も多用化は進んでおり、基材メーカーからは電子デバイス、車載機器用、インフラ関連の幅広い材料種がラインアップされるようになりました。
コンセプトやデザインが決まっていなくても、受託メーカー側の協力により製造から販売までを行うことができるODMでの開発製造はおすすめです。
以上、EMS、OEM、ODMの違いと製造・実装メーカーについてご紹介しました。自社製品と販売方法に合った生産形態を検討してみてはいかがでしょうか。