キュアリング処理とは?その効果とやり方をご紹介
2023/12/07
農業用コントローラ
キュアリング処理とは?
キュアリング処理とは、収穫したサツマイモやかぼちゃを貯蔵する方法のひとつです。キュアリングには「治療」の意味があり、キュアリング処理は収穫時にサツマイモやカボチャにできた傷を修復する目的で行われます。収穫した農作物にできた傷から病原菌が侵入すると、作物の腐敗の原因となります。キュアリング処理を行うことで、収穫時にできた傷が乾いてコルク化し、病原菌の侵入による腐敗を防ぐことが可能です。
また、キュアリング処理を行うことで、サツマイモやかぼちゃの粘度や甘みが増したり、外皮がなめらかになるといったメリットもあります。キュアリング処理は、キュアリング貯蔵庫と呼ばれる温度計などの設備を設置した倉庫やハウスなどの施設内で行われるのが特徴です。
キュアリング処理の方法
キュアリング処理のやり方は、収穫した作物を土付きのまま30~35℃、湿度90~100%の環境下で一定期間貯蔵後、放熱を行い一気に温度と湿度を下げた環境下で保存します。作物によって適切な温度や湿度、貯蔵期間が異なるため注意しましょう。
たとえばサツマイモは銘柄によって30~35℃、湿度100%の環境下にて約1週間貯蔵後放熱を行い一気に12℃まで温度を下げ、湿度80%で保存するものもあれば、30〜33℃、湿度90〜95%の環境下で3〜4日貯蔵し、放熱し13~14℃の温度で保存するものもあります。
一方かぼちゃの場合は、風通しのよい日陰で貯蔵した後、10℃くらいの温度の場所で保存します。貯蔵の期間は7~10日間のものもあれば、2週間~1ヶ月ほど必要となる銘柄もあります。適した温度と湿度に保たれたキュアリング貯蔵庫でキュアリング処理を行うことで、収穫時の傷口が乾燥するため、病原菌が侵入できなくなります。さらにサツマイモやかぼちゃに含まれているデンプンの一部がデキストリンとショ糖に分解され、タンパク質の加水分解が進み、いわゆる追熟が行われます。