アスマン通風乾湿計とは?温度や湿度を正確に測定する方法
2022/07/19
農業用コントローラ
乾湿計は、施設内の温度や湿度を測定する測定器です。乾湿計には、いろいろな種類がありますが、その中でも代表的なものがアスマン通風乾湿計です。本記事ではアスマン通風乾湿計の原理や特徴、正確に測定する方法などについて紹介します。
アスマン通風乾湿計とは
乾湿計(乾湿球湿度計)は、乾球温度計(普通の温度計)と湿球温度計(湿らせたガーゼで温感部を包んだ温度計)が取り付けられていて、乾球温度計から気温、乾球温度計と湿球温度計の差から湿度を計測できる温湿度計です。
乾湿計には、アウグスト乾湿計やアスマン通風乾湿計、気象庁形通風乾湿球湿度計、振り回し式乾湿計などいくつかの種類があります。
このうちアスマン通風乾湿計は、クロムメッキされた二重金属円筒など、日射や放射から断熱できる円筒で湿球と乾球を保護して、通風器によって一定速度で通風するもので、1887年にドイツの気象学者のアドルフ・リヒャルト・アスマンによって考案されました。輻射熱による誤差を防いで正確な温度と湿度を計測できます。
通風させる意味と注意点
乾湿計は、湿球温度計からの気化熱がポイントで、水分が蒸発しなければなりません。正確な測定のためには、ある程度の空気の流れが必要で、アスマン通風乾湿計は通風器を内蔵することで、通風器のないシンプルな乾湿計と比べると精度の高い計測ができます。アスマン通風乾湿計は、通風器の駆動方式の違いによって、ゼンマイで駆動させるタイプとモーターで駆動させるタイプに分類されます。どちらの駆動方式でも、ゼンマイ切れや電池切れに注意が必要です。
アスマン通風乾湿計の使い方と計算方法
設置方法
湿度を測定するには、アスマン通風乾湿計を測定したい地点に吊るします。この時の高さは一般的に1.5m程度が良いとされています。近くに壁など熱容量の大きなものを無いことを確認します。アスマン通風乾湿計は断熱処理がされていますが、周囲の熱の影響を全く受けないわけではありません。
測定方法
設置したら、モーター式なら電源投入、ゼンマイ式ならゼンマイを巻きます。測定結果が出るまで、3分ほどかかるので乾湿計から離れて待ちます。乾湿計は、人が近づくことでも温度が上昇するので、素早く読み取ることが大切です。
湿度の求め方
乾球温度計と乾球温度計と湿球温度計の差から、付属の計算尺や換算表を使用して相対湿度を求めます。最近ではデジタル式のアスマン通風乾湿計も出ていて、湿度換算の手間がありません。
ニッポーの「乾湿球湿度センサー用 木製センサボックス」は、木製ケースの中に乾球式・湿球式センサーと通風用ファン、湿球用の水のタンクが入ったセンサーです。 直射日光などの影響を最小限に抑えて、温度と湿度を正確に測定することができるため、施設園芸分野で広く利用されています。