農業センサーを使ってモニタリングを始めよう
2021/12/17
農業用コントローラ
経験の見える化
農業では土づくりのほか、温度や飽差(湿度)、CO₂濃度といった栽培環境の管理、潅水や収穫のタイミングなど、経験に基づく作業が多くあります。この経験に基づく技術は日本の農業において重要な役割を果たしてきました。しかし農業従事者は年々減少し、高齢化も進んでいます。他の産業と比べ人手による作業が必要な農業では人材の確保、省力化、負担軽減のため機械を使った自動化のニーズも高まっています。
今回はITやICT、IoTを活用するスマート農業の入り口として、栽培環境のモニタリングで使用される農業センサーについてご紹介します。
農業センサーを使ってモニタリングを始めよう
▲木製BOX入り 温湿度センサー
温度や飽差、湿度、CO₂濃度などは当然目には見えませんが、農作物の生育や収量に大きな影響を与えます。これまで体感や経験で管理してきたものを数値化することで、不足しているもの、過剰なものが見え、効率的に栽培環境の見直しをすることが出来ます。
では、農業センサーにはどのような種類があるのでしょうか。代表的なものをご紹介します。
◆温度センサー
栽培管理で基本となる温度を測定し、温度の推移、積算温度などを把握することができます。センサーの構造はシンプルですが直射日光が当たると正確な温度を測定出来ないため、日傘などのカバーを付けるか強制通風式など日射の影響を受けないような対策が必要です。
◆飽差(湿度)センサー
植物の気孔のはたらきに大きく影響する飽差を測定できます。半導体を使ったICチップタイプや、乾湿球センサーを使って測定する方法などがあります。ビニールハウスでは直射日光や消毒剤などにさらされるため、耐久性があるセンサーを選びましょう。
◆日射センサー
作物の光合成に欠かせない日射量を測定します。気象庁などで使用されている高性能の全天日射計から、フォトダイオードを利用し測定するセンサーなどがあります。レンズが汚れてくると測定に影響するため、定期的に表面を掃除しましょう。
◆CO₂センサー
光合成によって吸収されるCO₂の濃度を測定し、過不足を把握することが出来ます。一般的に赤外線吸収法(NDIR)と呼ばれる原理を利用したセンサーが使われています。原理上、経年で測定にズレが生じるため定期的な校正が必要になります。
◆土壌水分センサー
栽培管理で欠かせない土壌水分量を測定し、潅水の過不足を把握することが出来ます。
土壌水分の吸引力を利用したpFメーター式や、土壌中に電極を埋め込み誘電率によって含水率を測定するセンサーなどがあります。
測定データの活用
農業センサーにも様々な種類があり、技術の進歩によりその精度も向上しています。それぞれのセンサーで測定したデータをパソコンやクラウドでグラフ表示したり、集計が出来る商品やサービスが販売されています。栽培環境を数値化することで新たな気づき、改善のポイントが見つかるはずです。正確さや耐久性、価格などを比較し、目的に合った農業センサーを導入してみてはいかがでしょうか。
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