きのこ栽培における二酸化炭素濃度管理の重要性

2024/05/02

きのこ栽培システム

きのこの人工栽培では、温度・湿度管理に加え、二酸化炭素濃度を管理することにより、きのこの生育を促進し、品質の向上と増収を実現することができます。

本記事では、きのこ栽培における二酸化炭素濃度管理の重要性と、効果的な管理方法を紹介します。

きのこ栽培では換気が必要


きのこ栽培では、生育条件に合わせた二酸化炭素濃度管理が必要であり、換気によって以下の効果が期待できます。

酸素の供給

きのこが呼吸し成長するために必要な酸素を含む新鮮な空気を供給します。

二酸化炭素の排出

きのこの成長過程で排出した二酸化炭素を排出します。

栽培室内の二酸化炭素濃度が高くなると、きのこの柄が伸びたり、芽が腐ってしまったりするだけでなく、きのこが発生しない可能性も高まります。適切に二酸化炭素を排出させるためにも、施設に合わせた換気設備と濃度管理が重要になります。

換気のコントロールはタイマーではなく濃度管理をおすすめする理由


タイマー(間欠動作)を使った換気の場合、施設内の二酸化炭素濃度が考慮されないため、きのこの生育に悪影響を与えたり、無駄な換気をしてしまう恐れがあります。一方で二酸化炭素濃度を測定して換気を行う濃度管理であれば必要な換気のみ行い、きのこの生育に最適な二酸化炭素濃度を維持することが可能になります。

一般的にシイタケ栽培の培養工程では二酸化炭素濃度「3,000ppm以下」での管理を推奨されていますが、これを超える高濃度環境でも、きのこの発生数に差がでないという研究結果[※1]もあります。22℃の温度環境下で、1,700〜4,500ppmの異なる濃度で培養し、発生数、収穫量、収穫個数、子実体の規格などを調査したところ、4,500ppmでも子実体の形状や品質に問題はありませんでした。これまでシイタケの菌床栽培では、3,000ppm以下の濃度を維持するために換気設備を高頻度で稼働させる必要がありましたが、この研究結果をもとに換気回数を減らし、省エネを図れる可能性があることが分かりました。 <[※1]柏野ら「シイタケ菌床栽培における培養環境の温度とCO₂濃度が収穫量へ与える影響」(2016)より>
種菌の種類によって異なりますが、成長が加速する時期は800~3,000ppmの二酸化炭素濃度が最適であり、生育に合わせた濃度管理をするためには濃度コントローラの利用が有効です。

高品質なきのこを安定的に収穫するために温度、湿度、光と共に生育条件に適した二酸化炭素濃度が重要になります。換気作業の自動化システムを導入することで無駄な換気や手間を防ぎ、省エネや人件費削減に繋げることができます。

「ムダな換気を減らしたい」「細かく濃度管理をして、きのこの品質をアップさせたい」といった方には、センサの経年変化を自動で補正し、長期にわたって高精度で測定できる炭酸ガスコントローラ「CO₂NAVI(換気式)」がおすすめです。
きのこの品質・収量向上に向けて濃度管理を検討してみませんか。

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