都道府県別「きのこ生産ランキング」を調査~国内の生産性や今後の動向~

2023/04/25

きのこ栽培システム

きのこは、菌床栽培の技術が確立されており、通年で生産できる点や生産のための作業負荷が大きくないこと、小規模でも出来ることから、始めやすい作物としてよく取り上げられます。 今回は、きのこ栽培に関心のある方に向けて、日本国内におけるきのこの生産量や生産地、品目別の特徴などを解説します。

都道府県別きのこ生産の概況


きのこは北海道から九州まで全国で生産されています。きのこ類全体の全国生産量は462,021t(トン)で、都道府県別の生産量ランキングは以下のようになっています。(林野庁「令和3年 特用林産物生産統計調査」調査年月2021年)

1位:長野県・・・158,950t
2位:新潟県・・・99,718t
3位:福岡県・・・27,646t
4位:北海道・・・17,091t

以下、宮崎県、大分県、静岡県、長崎県、山形県、群馬県などが続きます。ランキングを見ると、長野県(全体の34.4%)と新潟県(21.6%)が突出していることがわかります。

品種別で見ると、えのき、ぶなしめじ、エリンギ、なめこは長野県と新潟県が1位、2位を占めており、ひらたけ、まいたけは新潟県が1位となっています。

乾しいたけは大分県、宮崎県、熊本県の九州地方が主な産地です。生しいたけは徳島県、北海道、岩手県、群馬県、秋田県、新潟県が生産量の上位に位置しています。

生産地と品種別の特徴


きのこの品目別の生産量では、えのき129,587t、ぶなしめじ119,545t、生しいたけ71,058tと続き、3種類のきのこで全体の7割を占めています。

えのき、ぶなしめじ、まいたけ、エリンギなどは菌床栽培が主流であり、大手企業の工場で量産されることが多い品目です。生産量日本一の長野県にあるホクト株式会社や新潟県の株式会社雪国まいたけなどが知られており、両県の生産量が多い理由のひとつになっています。

一方、しいたけ、なめこは中小の生産者が多く、生しいたけは主要産地が全国に散らばっています。乾しいたけの生産量は2,216t(生換算では15,514t)ときのこ類全体に占める割合は少なく、生産の中心は九州地方です。

きのこ業界の概要

(長野経済研究所「きのこ生産」より)


きのこ類全体の生産量の推移を見ると、2011年までは増加傾向を示していましたが、それ以降45〜46万トン前後で推移しています。
品目別では、まいたけとエリンギはそれまでの増加傾向から2021年は前年比で減少しています。また、乾しいたけが減少する一方、生しいたけが増加しており原木栽培から生産性の高い菌床栽培への移行が目立っています。



(長野経済研究所「きのこ生産」より)


きのこ生産者戸数は減少傾向が続いており、2010年の38,180戸から2020年には25,700戸まで減少しています。個人生産者の高齢化や設備の老朽化などがその要因として挙げられます。
生産者減少が顕著となる一方、きのこの消費需要は安定しており、それぞれの産地で新品種の開発やブランド化の取り組みが活発化しています。

私たち株式会社ニッポーはきのこ栽培とともに半世紀を歩んできた会社です。菌床栽培に必要な設備をトータルでサポートできることが強みであり、なかでも超音波加湿器は業界トップシェアを誇っています。


きのこ生産者の方、これからきのこ栽培を始める方は是非ニッポーにご相談ください。



▼関連記事

お電話でのお問い合わせ

0120-963-166

携帯電話からは048-255-0066