キヌガサタケとは?珍しいキノコで差別化する方法や成功事例をご紹介

2023/02/16

きのこ栽培システム

キノコは希少価値を差別化できる農産物のひとつです。珍しい種類のキノコを生産したり、品種改良することによってキノコに付加価値をつけて、高収益につなげることができます。
この記事では、商用人工栽培に成功した幻のキノコ『キヌガサタケ』の例と、キノコ栽培の差別化について解説します。

キノコの女王『キヌガサタケ』とは

白いレース状の菌網を纏う(まとう)姿が美しいキヌガサタケは“キノコの女王”といわれています。日本全国の竹林で発生は確認されているものの、その姿を見つけることは難しく、複数の県で絶滅危惧種に類するものとして指定された“幻のキノコ”です。中国宮廷料理、満漢全席の四八珍のひとつとされ、フカヒレやツバメの巣と同様にスープの具材として高級料理に使われます。国内では、輸入された乾燥品が流通し、高値で取引されています。

キノコの差別化に必要な3つのポイント


キノコを差別化するために必要なポイントは、「①自生する天然種の希少性」、「②新たな用途開発」、「③品種改良による高付加価値化」です。



①自生する天然種の希少性

人工栽培が確立する前、天然の舞茸はマツタケ以上に希少価値があったといわれています。しかし、1970年代に原木栽培、1990年代には菌床栽培による栽培方法が確立され、現在ではスーパーで手軽に買えるキノコのひとつとなりました。天然希少種の栽培化技術を開発する取り組みはさまざまなキノコで行われており、マツタケやトリュフの研究も各地で進んでいます。スーパーで手軽に買える日が来るかもしれません。



②新たな用途開発

学術分野で健康効果が確認されたことで、人工栽培技術の開発が進んだのが『アガリクス』です。ブラジルで健康長寿の住民が多い地域でアガリクスが常食されていることが見出され、国内大手メーカーにより大量栽培技術が開発されたという経緯があります。
健康志向の中で健康補助食品やサプリメントの原料としてのイメージが広がり、一時的に多数の企業が健康食品として販売しました。
※健康効果があるとする研究がある一方、副作用の症例が報告されたことをきっかけに現在アガリクスブームは収束しています。



③品種改良で高付加価値化

品種改良により差別化を図る例も少なくありません。たとえば、苦味を消したことで普及が進んだブナシメジや、天然種とは姿や色が大きく異なるエノキダケも消費者の好みに合わせて改良されてきたものです。
最近では、海外の希少種であるユキレイタケ(雪嶺茸)とエリンギをかけ合わせた福岡県の『王リンギ』、直径7cm以上のカサが開いたシイタケ(椎茸)を選別して出荷している栃木県の『てんけいこ(天恵菇)』があげられます。ともに食感がアワビに似ていることを差別化要因としてPRし、道の駅や通販などにも販路を広げています。




キヌガサタケの成功事例。人工栽培と普及に向けた取り組み


2018年、岐阜県のキノコメーカー(株)ハルカインターナショナルがキヌガサタケの商用人工栽培に成功したことをテレビや新聞をはじめとする主要メディアが多数報道しました。密閉されたハウス内で環境制御を行う一般的な人工栽培とは異なり、開放型のハウスのなかで温度管理を行わず、農薬など化学薬品も使わないという独自の栽培方法により実現したものです。
幼菌が発生する時期の7月から、150㎡のハウス内で1日あたり数百個の子実体(キノコの本体)が収穫されたとしており、普及に向けたさまざまな取り組みを行っています。



①栽培キットを鑑賞セットとしてネット販売

キヌガサタケの生態でよく知られているのが、驚異的な成長スピードです。幼菌から子実体に成長し菌膜を垂らすまでの一連の過程が数時間のうちに起こります。この点に着目し、通販サイトやクラウドファンディングサイトで卵状の幼菌を栽培キットとして販売し、夏休みの自由研究の題材として活用することや鑑賞後の試食を提案しています。



②放置竹林問題の解消を目指すパイロット事業

全国で問題となる放置竹林の整備にキヌガサタケ栽培を活用しようという取り組みを行っています。自然保護団体や企業を対象にキヌガサタケ3,000本分の培地1トンを30万円で販売し、技術支援を行うことで里山の環境保全とキノコ栽培経営をサポートするというものです。



③マルシェへの出品や高級料理店へのモニター販売

東京都心で開催される集客力のあるマルシェに出品するほか、高級料理店へのモニター販売を実施しています。認知度を高めるとともに販路開拓に向けての地道な取り組みです。



④フレーバー商品の開発

キヌガサタケの乾燥品から香気成分を抽出し、香りを楽しむフレーバー商品を開発しています。限定商品として通販サイトで販売することに加えて、開発に参画した薬草酒バーでは蒸留したフレーバーを使ったカクテルを提供しています。





希少価値の高いキノコとして注目されているキヌガサタケは人工栽培が実現したことで、これからマイタケやエノキダケのような身近なキノコになるかもしれません。(株)ハルカインターナショナルの取り組みに見られるように、高級食材というニッチな市場以外にも幅広く活路を求めるマーケティングは他の農産品の生産者にも参考にすべき点があります。


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