【食品表示基準改正】変わるきのこの原産地表示について

2022/12/21

きのこ栽培システム

消費者庁は、令和4年3月に最新の食品表示基準Q&Aを公開しました。最新の食品表示基準Q&Aでは、しいたけの原産地表示の見直しがされ、生しいたけだけでなく加工品も表示を変更する必要があります。この記事では、原産地表示が見直された背景や記載内容について解説します。

しいたけの原産地表示が見直された背景


近年、海外で生産した菌床を輸入し、国内で栽培し採取する量が増えてきています。これまでの食品表示基準では、生しいたけの原産地表示は栽培された都道府県名を表示すると定められていました。そのため、国内で採取された生しいたけは、都道府県名が原産地として表示されていることから、消費者は輸入菌床による生しいたけか、国産菌床による生しいたけか区別することができませんでした。

このような状況を受けて、消費者庁は令和2年に食品表示基準Q&Aを一部改正し、菌床栽培のしいたけについて、菌床の製造地と採取地が異なる場合には、種菌を植えた場所も採取地とは区別して表示するのが望ましいと追記されました。

しかし、改正を受けて菌床の製造地を表示したのは一部の生産者だけで、消費者に適切な情報が提供できていない状況であったため、消費者庁は食品表示基準の見直しを令和4年3月30日行い、令和4年9月末までにしいたけの原木または菌床培地に種菌を植えた場所を原産地と表示させるよう求めています。

しいたけ以外のきのこと加工食品(乾しいたけ)の表示方法


今回の食品表示基準Q&Aの改正の対象は、しいたけのみです。しいたけ以外のきのこについては、現状ではほだ木や菌床の輸入がほとんどないことから、今回の改正では、しいたけだけを対象としています。しいたけ以外のきのこについては、従来どおり採取地を原産地として表示することになります。

また、生鮮食品の生しいたけの原産地表示の変更にあたって、国内で製造される乾しいたけの原料原産地表示の変更が必要となる場合があります。なお、しいたけ加工品(原料に占める重量の割合が最も高いのがしいたけである加工食品)については、令和5年3月末までに表示を切り替える必要があります。


違反した場合の罰則


消費者庁や農林水産省、都道府県などは、食品表示法に基づいて、適正な表示がされるように監視業務を行います。具体的には「店頭等への調査」「科学的な分析」「国民から寄せられる情報」などを通じて、不適切な表示がされている事実が確認されると、立ち入り検査などが行われます。
その結果、法令違反が確認されると食品表示法に基づいて、表示の是正や再発防止策の実施などが指示されます。

原材料や保存方法、アレルギー、遺伝子組み換え、添加物、栄養成分表示など、食品の表示ルールを定めた法律が食品表示法です。今回、食品表示法に基づいてしいたけの原産地表示が見直されましたが、生産者の方は、正しい表示法を理解し、対応していきましょう。


ニッポーでは、種菌から生産施設まできのこ栽培をサポートしていますので、不明点があればお気軽にご相談ください。

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