熱交換器とは?効率よく換気をする仕組みと原理を解説
2022/09/26
きのこ栽培システム
熱交換器は、熱を効率的に移動させる機械で、さまざまな産業で利用されています。農業分野でも、施設の冷暖房や空調などに熱交換器の仕組みを使った製品を開発、販売する企業が多くあります。本記事では熱交換器の仕組みや農業で使われている熱交換器について紹介します。
熱交換器とは
熱交換器の仕組み
熱交換器は、液体や気体といった流体を熱したり冷やしたりする機器で、加熱や冷却、蒸発、熱回収などさまざまな用途に使われます。固体、液体、気体と物質の状態に関わらず、熱エネルギーは高い方から低い方へ温度差のある方へ移動する性質を持っています。この性質を利用して、熱エネルギーを移動させることで、高温の流体の温度を下げ、低温の流体の温度を上げるのが熱交換器です。
熱交換器の主な用途
熱交換器の主な用途には、「加熱」「冷却」「冷凍」「蒸発」「凝縮」などです。私たちの身近にあるものとしては、エアコン、冷蔵庫、自動車やバイクのラジエーター、ボイラー、給湯器などさまざまなメーカーの製品に使われています。またパソコンの中にも、半導体を冷やすために小型の熱交換器が使われています。
熱交換器の構造
大きさや形、素材などさまざまな種類がある熱交換器ですが、構造は大別して「チューブ式」と「プレート式」の2つに分けられます。
①チューブ式
一本のチューブ(配管)の中と外に別の流体を通すことで温度差を作り、温められた熱と冷やされた熱をそれぞれに利用する方式です。なかでも「シェル&チューブ型熱交換器」と呼ばれる多管式の熱交換器は、加熱、冷却などの効率がよく、最も使用されている熱交換器です。さらにチューブに金属などの「フィン(羽)」を取り付けることで、さらに熱効率のよい熱交換器を作ることができます。
②プレート式
プレート式は、薄い波型の金属板の間に流路を形成して、この流路に高温と低温の流体を交互に流す事で熱の受け渡しをする熱交換器です。主に液体同士の熱交換に用います。
農業分野で利用されている熱交換器
農業分野では、きのこの栽培施設などで使用されている冷暖房や換気に熱交換器が使用されています。熱交換型の換気は、外気を施設内の温度にできるだけ近い状態にすることで、空調機への負荷や暖房時の熱ロスを減らします。
例えば、外の気温が30℃で施設内を空調機を使用し20℃で管理する場合、通常の換気扇では外気を直接施設内に取り込むため、空調機の負荷が大きくなります。一方で熱交換型換気の場合には、外気を冷やしてから施設内に取り込むため、空調の負荷を下げることができます。
熱交換器はきのこ栽培室で長期間使用していると、胞子やゴミが蓄積し、性能が劣化していきます。ニッポーの熱交換器「涼風(すずかぜ)」は、工具なしで簡単に水洗い(洗浄・清掃)が出来るため、長い間高い性能を発揮することが出来ます。栽培室の空調機への負荷を減らして、空調コストを削減したい方、換気による栽培環境の変化を抑えたい方は、ぜひお問い合わせください。